はじめに

前回の記事で、『十三機兵防衛圏』というゲームが、ストーリー物の作品を作る上での参考資料として非常に優秀だという話を、プロローグ・チュートリアルの作り方を元に紹介しました。
今回は、『十三機兵防衛圏』のプロローグ・チュートリアルを参考にして、
「ストーリー主軸の謎解き公演の進行手順」の一例を挙げていきたいと思います!
想定とするストーリー
あなたは、とあるパーティに出席した資産家である。
そのパーティ会場で、突然爆発音が鳴り響く!
警報音が鳴り響き、ざわつく会場。
司会者が登壇し、現状を伝える。
どうやら、爆弾は全部で4つ仕掛けられているらしい。
残る爆弾はあと3つ。
あと一つでも爆発すると、この建物は崩壊して、全てが終わってしまうという。
その時、突然目の前にいたはずの司会者が姿を消す!
そうして、生死を分ける60分のカウントダウンが時を刻み始める・・・。
公演の流れ

【公演の想定規模】
<形式>
ホール型公演
<公演時間>
制限時間60分/公演全体120分
<人数規模>
6チーム、24~36人程度
公演開始:[プレイヤーの心を“つかむ”表現]
公演が開始すると同時に、自分たちのいる会場のすぐ近くが爆発する映像が映し出される
いきなり緊急事態を入れることで、プレイヤーの心をつかむ演出を表現
最初に謎解き問題が表示:[体験で脳を活性化させる]
そこから、司会者によるオープニングの進行が行われる。
まだストーリーの導入であるにもかかわらず、なんと突然、
1枚の謎解き問題が送られてくる!!
・オープニング中にも謎解き問題を組み込むことで、プレイヤーが退屈に感じる隙を無くす
・謎解き問題自体は簡単なものを出題する代わりに、“その後の公演中の出来事の伏線が張られている物”になっていた…
という演出が加わっていたら、この時点で出題される意義が出るかも。
STEP1(チュートリアル):[「自分で操作している」という“能動感”が得られる体験]
そうしてオープニングの進行が終わり、制限時間である60分のカウントダウンが開始。
STEP1は、難解な爆弾解除するための手順を知るステップとして進行していく。
・自分たちの力で爆弾を実際に解除するという演出が加わることで、“能動感”を高めることが出来るかも。
・また、「爆弾の解除方法には一定の法則がある」といった情報があれば、大謎への応用が利きやすくなるかもですね。
序盤のストーリー進行:[「もっと先が知りたい」という“探求心”をくすぐられる体験]
STEP1の解答を提出すると、爆弾に仕込まれていた謎が明らかになる。
爆弾が製造されているのは、なんと、未来であったことが判明する!
あり得ないはずの事実を断片的に組み込むことで、プレイヤーの“探求心”を揺さぶる演出になるのではないでしょうか
STEP2(2つ目の爆弾解除):[操作の自由度の増加による“能動感”の向上]
STEP2では、STEP1での爆弾解除よりも少し難解な方法で実践する。
爆弾の解除方法がSTEP1の時よりも難解であることで、“能動感”だけでなく、達成感も味あってもらうことが出来るのではないでしょうか。
時代場面の変化と司会者の正体:[既知の情報を用いての“探求心”の深化]
STEP2の解答を提出すると、爆弾の中から、未来に関する情報が現れる。
実は司会者の正体は、現代のプレイヤーたちの技術では、未来の視点からみると、この場では爆弾をすべて解除できないことが分かっていたから、秘密裏に未来から派遣されてきた技術者であった。
STEP3では、最後の爆弾を解除するために行動していく。
ここまでの段階では、非現実的な情報を小出しにしておく。
そしてこの段階で、“司会者”という既知の情報を使って、ストーリーの全容を見せていくことで“探求心”をさらに進化させていくことが出来るのではないでしょうか?
物語の結末
オープニングの途中で表示された謎解き問題は司会者が映し出していたもので、その中に最後の爆弾の解除に必要な情報が組み込まれていた。
司会者は現代にいることが出来る時間が限られているため、突然姿を消すことになっていたという。
「最初から“私は未来人である”といったことや、“爆弾の解除方法を知っている”といった情報を伝えると、参加者を混乱させてしまうことを懸念し、情報を隠して伝えた」
あとがき
思い付きのストーリーなので、面白いかどうかは「???」なところはありますが、実際に『十三機兵防衛圏』のプロローグ・チュートリアルを参考にストーリーを作り上げてみると、
ある一定の型にはめるだけで、ストーリーの重厚度が高くなる
という感覚がありました!
皆さんも、『十三機兵防衛圏』を実際にプレイしてみるのもいいですし、自分が気に入ったゲームなんかのストーリーの作り方を言語化して書き出してみると、「型」のようなものが見えてくるかもしれません!オススメですよ!!
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