はじめに
『この謎が解けるかね?』
皆さんはSCRAPの古の公演
「マッド博士の異常な遺言状」
を知っていますか?
初演は今から14年前の、2011年の11月。
当時のこの公演をひと言でいうなら、
“最難関”
が妥当でしょう。
この画像をご覧ください。

(「リアル脱出ゲーム公式過去問題集」より)
なんと、
当時の成功率はたったの4%…!
当時の公演は10%前後の公演が多い中、それをさらに上回る成功率の低さ。
まごうことなく、“最難関”という言葉がふさわしいと思います。
でも、今となっては挑戦することすら出来なくなってしまった、古の公演…。
と思っていたら!
なんと、2025年1月18日~26日までの2週末限定と短期間ですが、リアル脱出ゲーム岡山店で挑戦することができたのです!
(すいません!ちょうど期間が終わっちゃいました( ;∀;))
基本情報

ストーリー
/今世紀最大の天才と言われた物理学者マッド博士が逝去して15年。
博士の意思の通り15年たった今年遺言状が開封された。
そこには不可解な謎の文言と次のようなメッセージが残されていた。
「この謎が解けるかね?」
遺言状に隠された謎を読み解けば、マッド博士が読み解いた世界の秘密にたどり着ける。
あなたは、今世紀最大級の天才からの挑戦に打ち勝つことができるだろうか?
参加してみて感じたこと
最近の公演との最大の違い
参加して感じた、現代の公演との最大の違いは、
没入体験による「感動」よりも、理不尽を乗り越えた「達成感」を重視するような作り
であったということです。
実況的に解説(※ネタバレ無しですが、流れすらも知りたくない方は読み飛ばしてください)
せっかくなので、そう感じた理由を公演中の実況形式で解説しようと思います。(^_-)-☆
開幕
2025年1月某日。
場所は「リアル脱出ゲーム岡山店」。
そこに待ち受けるは、14年前の最難関、「マッド博士の異常な遺言状」!
対する挑戦者は、現代の謎解き好き共!
会場の設営は、現代のように「入った瞬間から世界観を再現」という作りではなく、壁に必要な情報を貼り付けているといった程度の、簡素なものでした。
敵の戦力

もう一度言います。
成功率4%。
14年前の「最強」。つまりチャンピオン。
挑戦者の戦力
1人目:ぴぴん(私)…中級者
2人目:兄(あーく)…中級者(ぴひんよりも上手)
3人目:あーくの奥さん…中級者(細部によく気が付く)
4人目:謎解き友達…中級者(東京遠征多数)
5人目:そのお友達…中級者(多分)
6人目:さらにそのお友達…初心者さん
全体としては、中級者パーティーという感じです!
序盤
プロローグが終わり、ついに謎解き開始!
制限時間は60分!!!
先に動いたのはマッド博士。
当時はよく用いられていた形式
“小謎の情報は会場の壁に情報を散りばめて貼ってるから、各々で写真を撮ってね”
で先手を打つ!
言われるがままに、私たちは写真を撮って情報を共有!
役割分担をして小謎を解き明かしていきます。
ここまで、割と順調に進めていきます。
現代の公演のように、“誰でも瞬間的に世界観に没入できる「体験」を重視”したような小謎ではなく、“散りばめられて情報を皆で分担・協力して解いてね”という、ある程度テンプレート的な作りでした。
しかし、「役割分担」「協力」の重要さが如実となるような作りでもありました。
中盤
ここでようやく、中謎か!?
と思いきや、
ただただ超難解な謎が出題されます!!
「なんだこれ!?解き筋も明確になっていないの!?」
と、ひたすらトライ&エラーを繰り返す我々。
マッド博士(の小謎)は、
「ふふ、そうではない。もう一度言う。“この謎が解けるかね?”」
そう言わんばかりに立ちはだかる。
ようやく突破した時には、この数問だけで20分くらい使っていたんじゃないでしょうか…?
中謎にあたる部分。
今ならば、没入感を高めるようなアイテムや立体物などを使って解き明かすことが多いです。
しかし、この公演でそのようなアイテムが出てくることはなく、”下手したらここで詰むかも”という難易度の小謎が出てきて、プレイヤーの度量を測るかのような作りでした。
終盤
残り時間15分を向かえ、ひとつの最終解答に辿り着きました。
チームメンバー「多分…、これがラストの答えだろう!」
私&あーく「違和感はない…。でも本当にこれでいいのか??」
確かに小謎は大変でした。
でも、今目の前にしてるのはラス謎だぞ?
4%の壁がこんなにあっさりしているか?
きっとまだ、見落としがあるハズ!
血眼になって情報をさらう中、メンバーの一人が
「“~~”っていう理由から、理屈は通ってるんじゃない?」と。
あー。と納得した私たち。
そうして最終解答を提出しました。
これまでに出てきた情報や世界観の作り方が、現代ほど五感で没入できる濃度のものではありませんでした。
なので当然、最後に導かれる解答も、現代ほどのカタルシスを得ることが出来るようなスッキリしたものではなかったのだと思います。
結果発表
結果は…、
脱出成功ーーー!!

今回は、全5チーム中、2チームが成功していました!
全体としての最終的な成功率は、
44%(26/58チーム)
となったそうです!!
(4%→44%とまた、きれいな…。)
挑戦した皆さんへ
失敗してしまったチームの中には、おそらく、ラストの謎にたどり着けなかったというチームも多いのでは…?
やはり、元凶は「中盤」で記したあの謎達では?
また、「終盤」でのあいまいな指示に対する捉え方の難しさなども失敗につながる原因に挙がるのではないでしょうか?
今ではまずないような体験を色々とできる体験になりましたよね。(笑)
あとがき
平面的な公演
普通に感想を書いたら平坦な感想になりそうだったので、バトル形式でテンション高めに書きました。(笑)
途中で、
「会場は、壁に必要な情報を貼り付けているといった程度の簡素なもの」
「没入感を高めるようなアイテムや立体物を使った謎はない」
と言ったように、公演全体として、物理的にも感情的にも平面的な作りだな、という感覚を覚えました。
ただ、それと同時に、この時からすでに、
最近の公演につながる欠片は見えていたようにも感じました。
(「情報共有」と「役割分担」などももちろんそう。)
古の公演はまるで…
14年前の強敵は、研究に研究を重ねられ、新たなる公演を作る地盤となっていました。
2025年となった今では、成功率44%と奮闘しつつも、割とあっさりとやられてしまう。
なんというか、
「葬送のフリーレン」に登場する、クヴァールを思い出しました。
(わかりますかね(笑))
アニメ公式サイトより
「クヴァール」とは
人間を殺すために威力の高さ、魔法耐性の無効化、速度に優れた史上初の貫通魔法「人を殺す魔法(ゾルトラーク)」を編み出し、多くの魔法使いや冒険者を葬り去って来た実力者。
卓越した戦闘力の持ち主だったヒンメルですらも当時は倒しきれず封印という形での対処に留めざるを得なかった程である。
その後、80年以上経った作中にて遂に封印が緩んで復活の兆しを見せ始め、その事態を見越して訪れてきたフリーレンと再度対峙する事になる。
だが彼の主力であった「人を殺す魔法」は、彼が封印されてからの数十年で人間にも使えるように改良され、それに対抗するための防御魔法も生み出されて「一般攻撃魔法」となってしまった。
皮肉にもあまりに優れた危険性・有用性から、積極的に解析と研究が行われて人類の魔法体系に組み込まれてしまったのである。
(引用元:https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AF%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AB)
この公演に参加してみて、色々と思うところがありました。
それはまた、次の機会に記事にしようと思います!
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